グループ紹介 Group Introduction

技術基盤 光の波長特性を生かした
難治性疾患への基盤的技術開発

開発したナローバンドUVB・エキシマライト・ UVA1・LED化

本グループは、「光の波長特性を活かした難治性疾患への基盤技術開発」を中心に研究を進めています。

名古屋市立大学は1975年、日本で初めて薬剤ソラレンと長波長紫外線(UVA)を組み合わせた治療法 PUVA を実施し、皮膚疾患治療の分野をリードしてきました。その後も、乾癬や尋常性白斑の治療機器を開発し、2008年には日本初の エキシマ光源を用いた308nmセラビーム を発表。さらに2011年には澁谷工業株式会社と共同で、世界初の 平面発光タイプのターゲット型ナローバンドUVB治療器(TARNAB) を開発しました。

近年では、2021年に株式会社ウシオと共同で 深紫外LEDを用いた紫外線治療器「セラビームUVA1」 を、2022年には 「セラビーム UV308 mini LED」 を開発するなど、多くの先端的な技術革新を推進してきました。

今後は、在宅光線療法が可能な機器開発 をはじめ、皮膚がん向けの光線療法機器の開発、さらに 「フォトフォレーシス(外循環式光化学療法)」を応用し、血液中の白血球に光を照射することで制御性T細胞を誘導する治療法の機器開発 などを目指しています。

一方で、これまでの臨床経験から、「紫外線は皮膚の免疫の恒常性を維持するだけでなく、ビタミンDを生成し、私たちの活動性を高める作用も持っている」と考えています。 そのため、波長特性の研究と活用を進めることで、高齢者医療の支援にもつながることを期待しています。

また、過剰繁殖する外来植物ホテイアオイの繁殖抑制 など、理学・工学の分野とも連携しながら、光に関わるあらゆる生命現象の研究と応用を進め、革新的な光技術の基盤を整備し、国際的な研究拠点を構築したいと思います。

Member メンバー紹介

名古屋市立大学大学院医学研究科 
加齢・環境皮膚科学 主任教授
森田 明理 Akimichi Morita
専門分野
皮膚科学、光生物学

名古屋市立大学医学部附属 
西部医療センター皮膚科 教授
西田 絵美 Emi Nishida
主な資格
皮膚科専門医、難病指定医

Device 機器の紹介

BD LSRFortessaTM
X-20 フローサイトメーター

BD LSRFortessa™ X-20 フローサイトメーターは、細胞表面や細胞内のタンパク質などの多項目同時解析が可能な高性能な多色フローサイトメーター(Flow Cytometer)です。BD(Becton, Dickinson and Company)社が開発しており、研究用として広く使われています。

主な特徴
  • 多色解析(最大18色)対応

    4本のレーザー(紫外 355nm、青 488nm、赤 640nm、バイオレット 405nm)を搭載可能。
    最大18種類の蛍光色素(フルオロクローム)を同時に検出できるため、複雑な細胞集団の解析が可能。

  • 高感度・高分解能

    高性能な光学系とフィルターシステムにより、弱い蛍光シグナルでも明瞭に検出。細胞間の微細な違いも解析可能。

シングルセル空間的解析システム
(AKOYA, Phenocycler)

Phenocycler™(旧名:CODEX™, Akoya Biosciences社)は、空間マルチプレックスイメージング技術を活用した、組織切片上での高次多重タンパク質解析が可能な装置です。組織中の細胞ごとの発現プロファイルと空間情報を同時に取得できます。

主な特徴
  • 高次多重性(Max 40マーカー)

    一度の組織スライドで、最大40種類のタンパク質を同時に可視化・定量可能。
    免疫染色(IF)の限界(通常4–6色)を超えた多重解析を実現。

  • 空間情報の取得

    どの細胞が、どこに、どのような細胞と接しているか、といった空間的相互作用を解析可能。

  • 反復的な染色と画像取得

    特殊なバーコード付き抗体を使用し、蛍光色素を繰り返し脱離・再標識して染色することで多重化を実現。
    各サイクルで異なるマーカーを検出し、最終的に統合画像を構築。

  • 画像データ+細胞単位のデータ出力

    イメージング後は細胞ごとの発現データ(CSVなど)としても取得可能。
    downstream 解析に FlowJo や R, Python も活用できる。

BD RhapsodyTM(ラプソディ)

BD RhapsodyTM は、単一細胞レベルでの遺伝子発現解析(シングルセル・トランスクリプトーム解析)を可能にする装置・技術プラットフォームです。
BD社が提供するこのシステムでは、細胞ごとのRNAを取得し、次世代シーケンサー(NGS)を使って定量的に解析します。

主な特徴
  • マイクロウェルベースの細胞キャプチャ

    BD Rhapsodyはマイクロウェルアレイ(小さなくぼみ)で細胞を一つ一つ捕捉。
    各ウェルにはビーズが入っており、ビーズ上のオリゴがmRNAを捕まえます。

  • 3’ mRNA シーケンス(またはTargeted RNA-seq)

    mRNAの3’末端の配列をバーコード化して回収、ライブラリ化したシーケンス。
    全トランスクリプトームもしくはターゲット遺伝子パネルの解析が可能。

  • 抗体と組み合わせた「Multiomic解析」

    抗体にオリゴDNAタグ(AbSeq)をつけることで、RNAと同時にタンパク質発現量も同時解析可能。
    これにより「RNAとタンパクの乖離」や「表現型と機能の関係」が見える。

  • 柔軟なパネル設計

    目的に応じてターゲット遺伝子パネルや抗体パネルを自由にカスタマイズ可能。
    よりコスト効率良く、深く知りたい遺伝子の発現を見ることができる。

ソーラシミュレーター
(Solar Simulator)

ソーラシミュレーターとは、自然太陽光(特に紫外線)を人工的に再現する装置です。研究室内で再現可能な「模擬太陽光源」として、皮膚・眼・材料科学・化粧品・光老化・紫外線防御の評価など幅広い用途に用いられます。

主な特徴

光源: 主にキセノンアークランプが使われ、太陽光に近いスペクトルを持つ。
フィルター: 紫外線A(UVA)、紫外線B(UVB)などを選択的にカット・透過するバンドパス・ロングパスフィルターを使用。
照度調整機能: 紫外線照射量(mJ/cm2 や J/m2)を正確に制御可能。
照射面積: 皮膚や細胞培養皿に均一に照射できるよう調整された照射領域。

BD FACS MelodyTM
(BD メロディー)

BD FACS Melody™ は、BD社が提供するコンパクトで操作が簡単なセルソーター(セルソーティング機能付きフローサイトメーター)です。研究室での使用に特化しており、免疫細胞、幹細胞、腫瘍細胞などを高精度に分取(ソート)できます。

主な特徴
  • セルソーター機能付き

    蛍光でラベルされた細胞集団をリアルタイムに識別・分離・回収。
    細胞培養やRNA解析、シングルセル解析(例:Rhapsody)への前処理に最適。

  • 簡便な操作性(初心者向け)

    BD社独自の専用ソフトウェア(FACSChorus™)により、ゲート設定やノズル洗浄などもガイド付きで簡単。
    ソーティングのプロセスも自動化されており、習熟コストが低い。

  • 複数モードのソート方式

    1本チューブへの単一集団のソートはもちろん、複数ウェルプレート(96/384well)への単細胞ソートも対応。
    スマートソーティング(滴の追跡・制御)による高精度な分取。

Illumina MiniSeqTM

MiniSeqTM は、Illumina社が開発した小型の次世代シーケンサー(NGS装置)です。
「省スペース・簡便操作・低コスト」で、研究室レベルでのゲノム・トランスクリプトーム解析が可能なエントリーモデルのシーケンサーです。

主な特徴
  • 小型・低コストなNGS

  • イルミナ独自の SBS法
    (Sequencing by Synthesis)

    高精度・高再現性のシーケンス技術。
    ペアエンドリード(75bp/150bpなど)にも対応。

  • 1回のランで取得できるデータ量

    最大約7.5Gb(High Outputモード)
    最大約2,500万リード取得可能(用途により十分なカバレッジ)

  • 多用途に使える

    16S rRNA解析(微生物叢/マイクロバイオーム)
    小規模RNA-seq(例:scRNA-seqのライブラリ確認)
    ターゲットパネルシーケンス(AmpliSeqなど)

  • 操作が簡単

    Reagent cartridge方式で、試薬の調製・ロードが非常に簡便。
    ライブラリをロードしたら、あとはタッチパネル操作でスタート可能。

モノクロメーター
(Monochromator)

基本構造と原理

モノクロメーターの構成は、以下のような光学部品で構成されています。

  • 光源(白色光):キセノンランプ
  • 入射スリット
    光を絞って、分光精度を上げる役割。
  • 分光素子(回折格子やプリズム)
    入射した光を波長ごとに分解します。
  • 回転機構(波長選択)
    目的の波長が出力スリットに届くように、分光素子を調整します。
  • 出力スリット
    選択された波長だけを取り出し、試料や検出器に導きます。

光生物学・皮膚研究においての応用:
紫外線/可視光/近赤外線の波長選択照射
特定波長(例:311nm、365nm)の皮膚細胞への照射実験

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